
モモ
ステーキで。畔草由来の深い赤色で、長く育てた旨みがいちばん素直に出る部位です。焼きすぎないのがコツ。
牧場のこと
牛は約30頭。全国の平均が1戸あたり64.7頭なので、決して大きな牧場ではありません。でも、小さいからこそできることがあります。
田んぼの稲わらが牛のごはんになり、牛の堆肥が田んぼに還ります。牛を育てる餌を地域で生み出す取り組みを、ずっと続けています。
出荷のときには月齢30か月を超えています。小ぶりですが、栄養豊富な四季折々の草を食べて、のびのびと育ちます。
三代目は元システムエンジニア。先代は経験をもとに育てていましたが、まず日々の食事量を記録することからはじめました。内容に関しても、色々な組み合わせを試してデータを集めている最中です。

広島県の県北、安芸高田市。小さな田んぼが山あいに続きます
循環のしくみ
昔は各農家が牛を労働力として飼い、稲を育てていました。いまは規模が拡大し、専業化が進んで牛だけを飼う農家が増えていますが、山岡牧場は昔ながらの耕畜連携を続けています。

山岡牛
和牛肥育農家に生まれ、和牛を口にする機会が多かったことから「過剰なサシが苦手」に。とはいえ市場で評価されるのはサシの多い牛です。サシを多く入れるには餌のカロリーを上げるしかなく、餌の選択肢は狭まっていきます。高カロリーの飼料を確保するには輸入に頼らざるを得ない。それを「和牛だ」というのもなんだかな、と思っていました。
地元の資源や副産物は、カロリー自体は決して高くありません。そのためちょっと小柄な子牛を選んでいます。
和牛は品種改良が進んで、どんどん大きく、サシが入るようになりました。そういう立派な子牛をうちの餌で育てると、骨格をつくるだけでカロリーを使いきってしまい、肉のつかない牛になることがあります。小柄な子牛なら、長くじっくり育てることで地元で手に入る餌も活用できる。長く育てるから、赤身に旨みがのる。ぜんぶつながっています。
父の代には120頭まで増やしたこともありました。しかしながら思うような飼育環境にならず、現在は約30頭に。一頭ずつちゃんとお世話ができるように、日々模索しています。

ひと区画に多くても3頭まで。ケンカが起きないので、みんな落ちついています
市場で人気なのは大きく育つ子牛。うちはその逆。小柄な子は地元のごはんで育てられるので、長く育てるという選択ができます。
カロリーの高い配合飼料だと、牛の体が長い肥育にもちません。手づくりのごはんだから、この日数が成り立ちます。
ごはんを待ちきれないのが、いつもの状態。そうでない日は、一頭ずつ細かく見ていきます。餌をやる時間が、いちばんの観察の時間です。
父の手書きの手帳をぜんぶデータに。どの牛がどう育ってどうなったか、記録と照らし合わせて次に活かします。

床には近隣の製材所から運んだおがくずをたっぷり敷いて、1か月に1回ぜんぶ入れ替えます。夏は屋根と扇風機、打ち水とミストで涼しく。
牛がストレスを感じると、筋肉の糖やアミノ酸が減って、脂の質まで変わってしまいます。のんびり過ごした牛は、そのぶんおいしくなる。だから環境づくりは、やさしさの話ではなく味の話です。
見学に来たお子さんに「牛舎、くさくないね」と言ってもらえたのが、いちばんうれしい評価でした。
多くの牧場は市販の配合飼料を買って、それだけを与えます。うちは朝と夕、その場で混ぜてつくる「自家配合」です。水分の多い副産物は、しっかり混ぜないと牛が食べてくれません。手間を度外視してでも、ここは続けています。




酒粕をいただける季節は、餌をつくりながら日本酒の香りにつつまれます。しぼった酒粕は固いので、水を足してピューレ状にしてから混ぜる。その日はいつもより水分が多くなるので、しっとりしたごはんが好きな牛は食いつきが違います。
畔草はビタミンが多く、肉の色が濃くなるので「やめた方がいい」と言われることもあります。それでも、身近にある草を活かせるし、どのみち畔の草は刈らなければいけない。うちは続けています。ごはんの中身が季節で変わること、それも含めてこの牛の味です。
畔草を日常的に食べて、月齢30か月を超えるまで育つ。だから肉の色が濃くなり、うま味が濃くなります。ビタミンの多い草を食べているぶんです。
それから、畔草や稲わらのような粗飼料が多いので、腸がよく働きます。そのぶん、噛んだときの食べ応えがあります。やわらかさで勝負する肉ではありません。
「他の牛肉と並べて食べると、うま味が強いと言われる」。ただし本人はこう付け足します。「焼き具合に左右されます」。だから、次のことだけ知っておいてほしいそうです。
解凍は、冷蔵庫でゆっくり。赤身が強い肉なので、急ぐとドリップ(赤い汁)が出てうま味が逃げます。「ここは勘弁してほしい」とのことです。
焼きすぎない。うま味は焼き具合でかなり変わります。
味付けは、濃くても大丈夫。「濃い味付けも気にせずしてほしい。味付けの濃さに、肉のうま味が負けないことを感じてほしい」。
山岡牛は、赤身の強い部位とサシの入る部位のコントラストがはっきりしています。下の3つは、山岡さん自身がいちばん好きだと言う食べ方です。

ステーキで。畔草由来の深い赤色で、長く育てた旨みがいちばん素直に出る部位です。焼きすぎないのがコツ。

ひかえめなサシをスライスして、さっと炙りで。和牛らしさと、和牛本来の良さの両方がある部位です。
ネックはすき焼き、スネはおでん。よく動いた牛の、よく働いた部位です。煮ると出るうま味は、濃い味付けにも負けません。
数に限りがあります。とくにタンは、出荷した頭数のぶんだけ(年におよそ20本)しかご用意できません。飲食店のみなさまはお早めにご相談ください。
お米
牛を育てているのと同じ田んぼで、食べるお米もつくっています。稲わらは牛のごはんに、牛の堆肥は田んぼに。ぐるっと回ったところで穫れるお米です。
もともとはコシヒカリを作っていました。でも倒れてしまう。地元のJAが勧めていたあきさかりに切り替えたのは、それが理由です。丈が低くて倒れにくく、暑さにも強い品種です。
気候が変わったなら、それに合う稲を選ぶ。小柄な子牛を選ぶのと、考え方は同じです。
味は、本人の言葉でいうと「くせのない、ほんのり甘いお米」。粒はそう大きいわけではありません。だからこそ毎日食べるお米として、いちばん使いやすいと言います。
これまでお米は出荷するだけで、直接売ったことがありませんでした。誰がどこで育てたか分かるかたちでお届けするのは、今回が初めてです。

刈り取ったあとの稲わらが、そのまま牛のごはんになります



名前は「あき(秋・収穫期)」から。収穫の秋にこのお米を知った人に長く愛されますように、という願いでつけられました。
※ 住宅の近くの田んぼでは堆肥の散布を控えているので、実りに差が出るところがあります。
※ 牛に食べさせる飼料米は「中生新千本」という別の品種です。人が食べるあきさかりとは分けて作っています。
収穫は年に一度だけ。数に限りがあるので、なくなり次第おしまいです。
※ 25kgはご家庭では多い量です。少しずつ試したい方は、まずお肉とのセットでお召し上がりください。小分けのご相談はお問い合わせから。
※ 精米して販売する場合、米トレーサビリティ法にもとづく産地情報の伝達と、食品表示基準にもとづく一括表示(名称・原料玄米の産地/品種/産年・内容量・精米年月日・販売者)が必要です。
つくり手

山岡量真さんと、牧場の牛
やまおか かずま / 株式会社BEEFFECT 代表取締役
農家の家に生まれて、牛が身近にいる環境で育ちました。大学では情報系を学び、卒業後はIT企業でシステムエンジニアとして働いていました。2017年に退職して、実家の牧場へ。
朝いちばんにするのは、週間天気予報のチェック。一日でいちばん時間をかけるのは、餌づくりです。何種類もの飼料を混ぜて、朝と夕に。手間はかかりますが、その時間が、牛を見る時間でもあります。食いつきがいつもと違えば、そこから一頭ずつ確かめていく。
「理想の餌ができたわけではないんです」と言います。いま手に入るもので育てたら、牛はどうなるのか。記録をとりながら、まだ確かめている最中です。うれしいのは「お肉、おいしいよ」と面と向かって言ってもらえること。つらいのは、病気で牛が亡くなること。出荷の日はいまでも何とも言えない気持ちになるから、一頭ずつ、食べてくれる人のところへちゃんと届けたいと思っています。
家族三人でやっています。父が機械の仕事、母が牛の世話、そして本人は草刈りと雑用のぜんぶ。周りからは「よーやっとるねぇ」と言われるそうです。機械に乗らないので、なおさら。
餌をどんぶり勘定で混ぜるのをやめて、給餌の記録をとりはじめたとき、お父さんはこう言ったそうです。「お前がやるんじゃけぇ、好きにしんさい」。
どう思われたいかを聞くと、答えはこうでした。「一番身近な農家の兄さん」。こだわりはあるけれど、楽しんでやれる範囲を見極めたい。いつか誰かに渡すときに、そのこだわりが重荷になってしまわないように。
日々のことは note 今日もビーフェクト に書いています。牛のこと、お米のこと、農家のふつうの毎日のこと。
オンラインショップ
この仕事でいちばんうれしいのは、「お肉、おいしいよ」と面と向かって言ってもらえることです。間に人が入るほど、その声は届かなくなる。だから一部を自分で買い戻して、直接お届けしています。
家族や親戚が集まる日に「せっかくだから」と注文してもらえるような、そういう使われ方を思って作っています。ですのでセットでのお届けが基本です。少量ずつのご注文には、うまくお応えできません。
部位を組み合わせた精肉セット。お米(2合)が付きます。
見てみる → お米玄米か精米を選べます。令和8年産、なくなり次第おしまい。
見てみる → 贈りもの気を張らない相手へ。数に限りがあるので、一つずつ番号を入れてお送りします。
見てみる → 業務用少しずつでも続けて使っていただけるお店を探しています。
相談する →※ 各リンクの遷移先(STORESなどのカート)は 要設定 です。生鮮食肉と精米はどちらも表示義務があるので、カート側の商品ページと同梱ラベルを必ず一致させてください。
※ ふるさと納税は、専用の商品を用意してから出す方針のため、いまは掲載していません。
会社のこと
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